短期&長期中国留学のコラボで余裕の中国語楽習

前項「攻めの資金投下で一気に中級へ 通信講座リレーで中国語楽習」では最も大切な入門レベルとそれに続く初級レベルにおいて、通信講座を利用して少しでも楽に中国語を学習/楽習する方策を紹介しました。

本項ではさらに贅沢な楽習方法である留学の効用と正しい留学法について考えてみたいと思います。

中国語楽習としての中国留学

一昔、閉ざされた国である中国の言語「漢語」を学ぶのは容易なことではありませんでした。

第二外国語と言えばフランス語、それに次ぐ言語がドイツ語という時代でした。テキストなどの学習ソースは限られており、先代たちは音質の悪い短波放送を必死で拾ってディクテーションしていたのです。

一方、現在では衛星放送やインターネット経由で中国のテレビも視聴できますし、チャットで中国人とおしゃべりまでできてしまう時代です。

かつては中国留学することでしか接することができなかった生の中国語を、日本に居ながらにして学ぶことができます。いい世の中になったものです。

純粋に中国語の習得という観点から留学について考えるのならば、その価値は大幅に減少していると言わざるを得ません。

しかしながら、楽習という観点から中国留学を見ると、その価値は依然として輝きを失っていません。

中国社会の中に身を置いて接する中国語経験はテレビやチャットではどうやっても得られないものです。起きてから寝るまで中国語に包まれた環境にあるのですから、より自然に中国語に接することができます。場合によっては日本語の退化を心配しなければならないような中国語環境の中に身を置くことができるのです。

当然、中国語の上達は早くなります。特にリスニング力と会話力の上昇は目を見張るものがあります。繰り返しになりますが、会話に対するコンプレックスの強い日本人にとって、会話力の急激な向上は何物にも変えがたい自信をもたらします。それが中国語習得への新たな動力となるのです。

このように、中国語楽習を追求するのならば、中国留学は無視できない存在です。問題は費用と時間ですね。特に社会人の場合はいくらお金があっても時間的に不可能、という方が大部分なのではないでしょうか。

それだけに、中国留学できるだけの資金と時間的余裕がある、という方は是非留学されることをおすすめします。書籍やテレビなどを通してはわからない、生の中国と中国語に直接触れるにはこれしかないのですから。

短期留学と長期留学

一口に留学と言ってもさまざまな形態があり、一概には言えないのですが、中国語習得、という角度から考えるのならば、語学留学となるのが一般的です。

また、語学留学もその期間に基づいて短期と長期の二種類に大きく分類されます。一般には留学期間が一年(一学年)以上のものを長期留学、それ以下のものを短期留学とするようですが、短期留学にも半期留学(一学年の半分)から2週間以内の超短期留学もあり、自身のレベルに応じて上手に選択していく必要があります。

そのあたりの話は「中国留学のススメ」で詳述していますので、別途ご参照ください。

本項では、これに補足して、中国語楽習という角度から中国留学について見ておきたいと思います。

まずは、やはり資金力と時間的余裕ですね。資金と時間に糸目をつけないケースから考えていきましょう。大まかな切り方ですが、ざっと言えばこんな形になります。

積極留学型

1.入門→長期留学(2年以上)
2.入門→短期留学(1ヶ月以内)→初級→長期留学(1年以上)

入門レベルは発音学習が中心になるので、日本で日本人中国語講師について学習した方が効果的です。同じ日本人だからこそわかるものがありますから、発音方法は日本人に学び、発音の矯正は中国人にお願いする、という形が基本です。

ゼロから中国で学ぶ人もいますが、発音から中国で学ぶのはかなり効率が悪いので、入門レベルだけは日本で修了しておくことをおすすめします。

初級レベルは日本でも中国でもいずれでもかまいません。初級レベルでは文法が大きなウェイトを占めるのですが、これは国内で勉強しても十分な学習効果が期待できるためです。

同じく重要になるリスニングも、テキストCD、衛星放送、インターネット等で十分まかなえますから、中国で勉強した方が効果的であるとは限りません。

まぁ楽習ですから、中国で勉強している方が楽しい、という場合は入門終了時点で長期留学してしまえば良いでしょう。2年ほどまったりと楽習してください。

初級レベルは日本で、という方は、入門修了時点で一度短期留学することをおすすめします。目的は発音の矯正。もちろん日本でも行っているのですが、より確実に、ということで、中国でも今一度発音の矯正を行います。

後はまったりと中国の空気に触れてみてください。初級修了後の長期留学に向けて情報収集しておくのも良いでしょう。

初級を修了したら中国へ長期留学です。きっちり勉強される方は1年で、まったりと学習したい方は2年ぐらいのつもりで計画してください。

費用効果追求型

2年も3年も長期留学するゆとりはない、という場合は、費用効果を追求するプランで行きましょう。

1.入門→初級→短期留学(1ヶ月以内)→中級半ば→長期留学(1年)
2.入門→初級→短期留学(1ヶ月以内)→中級修了→短期・長期留学(半年以上)

短期留学の目的は発音の矯正と初級レベルの実践及び長期留学の準備にあります。初級レベルを修了しているので、ちょっとした会話はできるようになっていますから、買い物などで覚えたての中国語を使ってみてください。実際に通じると本当にうれしくなりますよ。

長期留学のタイミングはそれぞれの都合に応じて決めれば良いでしょう。中国語の中級は長期戦となるので、中級修了を待たずに留学してもかまいません。

日本で学習している期間が長ければその後の留学期間を短縮することもできます。中級を修了していれば半年の短期留学でも十分な効果が得られるでしょう。

費用節約型

1.入門→初級→中級→短期・長期留学

資金に限りがある場合は留学回数を減らして費用を節約します。初級修了後の短期留学はあきらめて、最後の留学に資源を集中してください。

時間節約型

1.入門→短期留学(1ヶ月以内)→初級→短期留学(1ヶ月以内)→中級→中国旅行・短期留学等(1ヶ月以内)

資金はあっても時間にゆとりがない、という場合は、節目節目で短期留学されるのが良いでしょう。入門修了後の短期留学は発音矯正、初級修了後の短期留学は初級レベルの実践、中級修了後の短期留学は中級項目の実践をそれぞれ目的とします。

ゴールデンウィークなどの長期休暇を利用した短期留学プログラムなどもありますから、旅行気分で参加されれば良いのではないでしょうか。

なお、短期留学プログラムは、その多くが入門初級レベルに集中しているので、中級レベル以降では適当な短期留学プログラムが見つからないかもしれません。

その場合は純粋な旅行にしてしまったり、あるいは現地で家庭教師を雇って独学するという方法もあります。短期留学の際人脈を作っておけば、家庭教師の確保には困らないでしょう。大学で外国人に中国語を教えている教師を捕まえておけばよいのですから。