「私は中国語で生きる」

前々項「ハイリスクな中国語キャリア」と前項「厳しい中国語専門職キャリア」の二項にわたってハイリスクで厳しい中国語キャリアの現状と将来について考えてきました。

それでも「私は中国語で生きる」という気概に溢れる方も多いかもしれません。そこで、今回からはそんな方々のために中国語キャリアを形成する道筋について考えていきたいと思います。

「ビジネスマン」グループが主体

これまで、中国留学の主体となる仕事・キャリアグループについて、さらに次のように細分して考えてきました。

  • 1.中国赴任予定者及び国内中国関連部門担当予定者等の実務労働者グループ
  • 2.グループ「1」の職を希望するリクルート(就職転職)目的グループ
  • 3.通訳翻訳中国語講師等の中国語専門職志望グループ

グループ2はいずれグループ1に合流していくはずですから、キャリアとして考え得るのは一般に「ビジネスマン」グループと「専門職」グループの二つとなります。

数量的に言えば「ビジネスマン」グループが圧倒的でしょう。「専門職」グループは多くの学習者が憧れるグループですが、中国語力に対する要求が高い上市場そのものが小さいので、数量的にはわずかなものだと思います。

そこで、まずは「ビジネスマン」グループについて一歩進めて考えて見たいと思います。

「ビジネスマン」グループを再分割

ビジネスマンと言うと聞こえがいいですが、要は給料暮らしのサラリーマンです。

ただ、給料暮らしのサラリーマンといってもピンからキリまであり、上場会社のCEOだってサラリーマンであることは変わりありません。

中国語キャリアという角度から見てもそれは同じ事で、職種・地位役職の高下など、ひとまとめにして話をすすめるのはちょっと無理があります。

そこで、「ビジネスマン」グループをさらに細分して考えてみることにします。

国内勤務の場合

日本国内勤務で中国語を使った仕事と言えば社内通訳・翻訳、中国からの来客のアテンドが主な形態ではないでしょうか。

もっとも、これらの仕事は必ずしも常に一定量存在するとは限らず、人によっては一ヶ月で一日二日ぐらいしか中国語を使うことはない、という方も少なくないと思います。

これらの仕事は企業組織の中ではどちらかといえば下っ端の仕事で、キャリア形成という点から言えば、いつまでもこんなことばかりしてはいられません。

業種・企業にもよるでしょうが、直接中国に出向いて仕事をしたり、中国に駐在するようなポストがある会社の場合はじっと機会を待てばよいのでしょうが、そんなポストは存在しない、という所も少なくないと思います。この場合道は以下の3つでしょうか。

  • 1.ひとまず中国語キャリアを放棄
  • 2.転職
  • 3.専門職キャリアへ転換

いい会社にお勤めの場合はかなり厳しい選択となるかもしれません。安定した将来を取るか、それとも好きな仕事を目指すのか......