中国語レベル学習項目重要度対応一覧表:リスニング編

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本項では、『中国語レベル学習項目重要度対応一覧表』における「リスニング」の項目について解説します。表の見方は『中国語レベル学習項目重要度対応一覧表』をご参照ください。

リスニング

※記号の意味(重要度は数字が多いほどが重要度が増します。)
▽:重要度1
△:重要度2
◇:重要度3
◎:重要度4
☆:重要度5
※同じ級の枠の中でも右に行けば行くほど中国語のレベルが高くなります。
※入門終了は中検準四級合格レベル、初級終了は中検三級合格レベル、中級終了レベルは中検準一級、HSK8級合格レベルが目安。
  入門 初級 中級 上級
リスニング ▽◎ ◎☆☆☆☆☆ ☆☆◎◎◇◇△△ ▽▽▽▽▽▽▽▽

→→→→→→→ 中国語力は右に向かって高くなる →→→→→→

「リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング」の四分野の中で、リスニングからはじめるのは語学のセオリーと言って良いでしょう。これは言語を問いません。もちろん、中国語もまた然り、です......

......というか、然るどころか、中国語においてはリスニングの重要性が相対的にさらに高くなります。これは、発音と文字の二つの原因によるためです。

発音学習のためのリスニング

中国語学習において発音が重要になるのは広く認知されていることですが、発音が重要になる以上、音つながりでリスニングが重要になることも容易に連想できるのではないでしょうか。

発音学習というと、正確な発音をすることに焦点が集まってしまいますが、正確に発音を聞き取るということも、発音学習の重要な項目の一つとなります。リスニングはこれと密接な関係があります。

リスニングで聞き取れない単語は、その発音についても問題がある可能性があります。実際に、リスニングで区別できない発音は、発声の際も区別があいまいになっているケースが少なくありません。

発音は入門レベルにおいて一通り学習しますが、初級レベルにおいては発音の定着が重要な学習項目となり、リスニング学習が大きな役割を果たすこととなります。

このように、リスニング学習の重要性が、特に初級に集中することは、発音学習との密接な関連性によるところが大きいのです。

相対的に低いリーディングの重要性

もう一つの要因が「文字」ですが、これは中国語と日本語がその文字として漢字を共有しているところに起因します。

日本語の漢字と中国語の漢字は語義が重複しているものが多いので、日本人にとって、中国語のリーディングは相対的に容易になります。日本人のHSKリーディングパートの成績が押しなべて高いのは、このためでもあります。

リーディングが容易になる分、発音のために相対的に難しくなるリスニングの比重がより高くなります。これが、中国語学習においてリスニングの重要性を押し上げることになるのです。

「精聴」から「多聴」へ

一言でリスニングとは言うものの、実践における学習方法は一つではありません。文法や語彙のように、レベルに応じて実践方法を変えていく必要があります。

学習方法としてのリスニングは大きく二つに分けることができます。集中した状態で繰り返して丁寧に聴く「精聴」と、いろいろなリスニングソースをたくさん聴く「多聴」の二つです。

入門初級レベルでは、「精聴」がリスニング学習の柱となります。リスニングの基礎力をつけることと、上述の発音学習を主な目的とします。

初級後期から中級レベルにかけては、「精聴」から「多聴」へ軸足を移していきます。このレベルではすでにリスニングの土台は出来上がっており、発音も完成している段階にあるので、より多くのリスニングを行うことで、リスニング力の向上と会話力の基礎作りを行います。

上級リスニング

中級も後期に差し掛かると、リスニングの重要性は急激に低くなっていきます。このレベルに到達する頃には、標準中国語におけるリスニングがほぼ完成してしまうためです。

あとは方言なまりが入った上級リスニングとなるのですが、これは個々の学習者の状況に応じて行うものになるので、重要性は低くなります。

中級後期から上級レベルにおいては、会話力の向上がより重要な課題となります。リスニングはそのための補助的な学習法と位置付けるのが適切でしょう。