存現文

存現文は事物・事象の存在,出現,消失を表す。存在を表す「存在文」と「出現,消失」を表す「現象文」に大別される。構文としては,日本語訳で「~が」にあたるものが後置され,目的語として動詞の後ろに置かれるところに大きな特徴がある。

存在文

ある場所・時間に,人や物が存在している様子を表現する。「場所/時間+動詞+“着”+人/物」の形をとる。※中検4/3級レベル

場所/時間動詞人/物和訳
桌子上一本书。机の上に本が一冊置いてある。
房间里两个人。部屋に二人立っている。
餐厅里很多客人。レストランには多くの客がいる。

「人」や「物」を構成する成分は,意味的には不特定のものになり,しばしば数量詞を伴う。

この構文は同じく存在を表す存在の“有”と同じ語順を取る。存在の“有”はただ「ある」という存在を述べているのに対し,存在文では「動詞+着」の形で,その存在の様子をより具体的に表現するところに特徴がある。

場所/時間動詞数量詞人/物和訳
存在の“有”床上两个枕头。ベッドの上に枕が二つある。
存在文床上两个枕头。ベッドの上に枕が二つ並んでいる。
[用例]
  • 墙上贴着一张中国地图。
  • qiáng shàng tiē zhe yī zhāng zhōngguó dìtú.
  • 壁に1枚の中国地図が貼ってある。
  • 桌子上放着一本书。
  • zhuōzi shàng fàng zhe yī běn shū.
  • 机の上に本が一冊置いてある。

現象文

ある場所・時間に,事物・事象が出現したり消失したりする現象を表現する。「場所/時間+動詞(+結果・方向補語)(+“了”)+人/物」の形をとる。※中検4級レベル

場所/時間動詞結果・方向補語人/物和訳
那边过来一辆汽车。あちらから車が来た。

この構文も存在文と同じ語順を取り,「人」や「物」を構成する成分も,存在文と同様に意味的に不特定なものを指し,多くの場合数量詞を伴う。動詞の後方には結果補語や方向補語,もしくは“了”を置くことが一般的である。

出現我们班来了一个新同学。私たちのクラスに新しいクラスメートが一人やってきた。
消失我们班走了一个同学。私たちのクラスから一人クラスメートが転校していった。
[用例]
  • 我家来了一位客人。
  • wǒ jiā lái le yī wèi kèren.
  • 我が家にお客さんがひとりいらっしゃった。
  • 前边来了一个人。
  • qiánbiān lái le yī ge rén.
  • 前から人が1人やってきた。
  • 前边来了一辆公交车。
  • qiánbiān lái le yī liàng gōngjiāochē.
  • 前から路線バスが1台来た。
  • 我们班来了一个新同学。
  • wǒmen bān lái le yī gè xīn tóngxué.
  • わたしたちのクラスに新しいクラスメートが1人来た。
  • 入梅以后,这里下了一场大雨。
  • rù méi yǐhòu, zhèli xià le yī chǎng dàyǔ.
  • 梅雨に入ってから,ここでは大雨が1回降った。
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Time:
2009-03-16 Last modified: 2015-02-19