見える四声 中国語声調マスター

[開発]
[価格]
¥300
[更新日]
2014/07/30
[対応]
iOS 7.0 以降
[分類]
[レベル]

レビューアー

小平 貴雄
「中国語達人への道」管理人。

レビュー

概要

自分の発音をマイク入力し、音声を波形グラフに変換、声調を視覚で確認することができる。模範音声のグラフと重ねて表示されるので、自分の声調の良し悪しが一目瞭然となる。

模範の発音や録音した自分の発音を聞くことができる他、模範の声調に矯正された自分の発音を聞くこともできる。

発音練習コンテンツはお約束の「ma」を練習する「基本編」と用例104文を収録した「日常会話編」が標準装備で、「旅行編」と「ビジネス編」は追加購入となる。

6000円→300円

この手のソフトは既に10年程度の歴史があり、当初は6000円ぐらいしたと思うのだが、そのうち2000円程度のものが出現し、そして今はスマホアプリとして300円で購入できてしまうわけで、隔世の感を禁じ得ない。音声認識技術もそれだけ成熟してきているのだろう。

発音は独学が難しく、また講師をつけて学んでも、オウム返しのような練習になってしまうことが多い。また声調は日本語にない概念で、理解し難いものでもある。それをこのように波形グラフとして視覚的に確認できるのは、初学者にとっては非常に有意義であろう。

これから中国語を始める人、声調が苦手の人には絶対におすすめできるアプリだが、いくつか気になる点もある。以下にざっと列挙してみたい。

模範通りである必要はない

収録されている模範音声は中国語ネイティブスピーカーのものであるが、同じネイティブスピーカーであっても、声調のブレは存在する。中国人にやらしてみても、模範グラフと完全一致するわけではないのだ。

声調は中国人が違和感なく認識できるレベルに達すれば良いのだが、このアプリはその「合格ライン」を判定することはできない。あくまで模範グラフとの比較でしかない。

故に、どうしても模範のグラフと重ならない、といって落ち込む必要もない。あくまで大体の音程変化を理解できれば良いのだ。

音声認識

基本編の「ma」の認識があまりよろしくなく、エラーが頻発する。コツがつかめていないだけなのかもしれないが。一方フレーズについては比較的スムーズに認識してくれる。

こんな機能があれば……

ついでにこんな機能があったら面白いな、と思ったものを幾つか。

模範音声の多様化

模範音声は一つではなく、複数から選択できるようにした方が良いと思う。少なくとも、男性と女性の2パターンは用意してほしい。複数あれば、上述の個人差の問題をいくらかは解消できるのでは、と思う。

グラフの記憶

解析済みの自分の波形グラフを記憶し、新旧で比較することができればなお良い。

スコア表示

標準からの乖離をスコア化できないものだろうか。ついでにスコアをサーバへ送信して、ランキングなんかをやったら面白いかもしれない。

自由録音

収録の例文だけではなく、自由に録音して再生できる機能をつけることはできないだろうか。模範の発音は講師やネイティブスピーカーにお願いして録音すればよい。

まとめ

気になる点や改良余地もいろいろあるが、この価格で声調学習ができるのだから、初学者や声調が苦手な者は購入を躊躇する必要はない。不安材料は音声の認識エラーで、人によってはまったく使い物にならない代物になる可能性もあるが、300円なのだから試してみる価値は十分にあるだろう。

ダウンロード