中国語検定過去問WEB

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¥3000~
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レビューアー

小平 貴雄
「中国語達人への道」管理人。

レビュー

中国語検定協会公認の過去問題集サイト。

データは協会から提供されており、書籍として出版されている過去問に準ずる。書籍がWEBサービス化されたことで、簡便性というパソコンのメリットを活かしながら過去問を練習することができる。中国語入力は中国語IMEで定評のある高電社のChineseWriterの簡易版が無償で提供される。

過去問は練習モードと本番モードの2パターンを選択できる。練習モードは時間制限なし、出題範囲自由指定、解説参照可で、練習したいパートを解説を参照しながらゆっくりと解いていくことができる。本番モードはその名のとおり、本番の形態で過去問を行うものだ。試験結果は分野別にレーダーチャート化され、得手不得手が一目瞭然となる。ただ、間違えた問題だけを再出題する機能は実装されていない。単に再トライする際に間違えた問題の背景色が変わるだけである。この点は改善が望まれる。

解答解説も書籍版と同じなのだが、例えば「そり舌音」と「巻き舌音」など、解説の作成者によって異なる用語を使用しているところが少し気になる。これは書籍版も同じなのだが、多数回の過去問を行うことができる分これが目立つ。書籍と異なりデータ化されているのだから、このあたりは協会の許可をもらって統一しても良いのでは、と思う。

また、過去問の他にも、3級と4級に対応した学習コンテンツが提供されている。コンテンツは高電社によるものだ。

なお、この手のWEBサービスによくあるユーザー間の交流機能は実装されていない。交流系のコンテンツが好きな人にとっては残念であろう。

収録されているのは59回以降で、このレビューを書いている2013年3月の段階で19回分の過去問を利用できるとあって分量は圧倒的である。販売形態は準4級から3級までの標準コースと全級コースの2コースに分けられ、標準コースは3ヶ月で3000円ということなので、書籍の過去問1.5冊分と考えれば安いものだ。もちろん一発で合格できればの話だが。4級と3級を同時に受けるなどの複数級受験者にとっては割安感が更に強まる。

一方で2級以上を受験する者には3ヶ月で5000円、年間で1万円の全級コースしか選択肢がなく割高感が強い。出版数が少ない中上級テキストを購入したとでも考えれば多少は気が安らぐかもしれないが。

ユーザーの視点から言えば級別でバラ売りしてもらえるのが理想的なのだが、書籍版との共存が求められているのであろうか。このコース設定にはそのような協会の意図が見え隠れしてならない。