英中二ヶ国語習得フィジビリティスタディ

前項では大学1年目からスタートを切ることを前提として考えてきたが、現実には2年目3年目の人や、果ては既に社会人になっている人もいると思われる。そのような人たちのために、英中二ヶ国語習得のフィジビリティスタディを行ってみたいと思う。

英語力

二ヶ国語習得の実行性を考えるにあたって、最も重要なポイントとなるのはスタート時点の英語力である。英語は義務教育から大学まで一貫して学ばせられるので、程度の差こそあれ中国語のようにゼロからスタートする訳ではない。

問題はこの「程度の差」が大きいところにある。ちょっと勉強すればTOEICですぐに800に到達できる者もいれば、試験慣れ云々ではなく、実力で400未満の者もいる。この両者を一概に論じることはできない。

前者であれば、実質的には中国語をマスターすれば二ヶ国語を習得したことになる。もちろん、TOEIC800で英語マスターなどとはおこがましいと思われるかもしれないが、世間的には十分通じるので、英語キャリアを進むためのパスポートとしては、取り敢えず800もあれば十分なのだ。

ちなみにだが、TOEICや中検などの資格試験は、試験慣れしているか否かで成績が大きく変わってくる。よって、「TOEICのスコアが低い」イコール「英語力がない」とは限らない。試しに受けたTOEICが400そこそこで、それから数ヶ月後に800を超えるスコアを取得してしまう人もいる。これはその数ヶ月の間に英語力が飛躍的に高まった訳ではなく、もともとかなりの実力を持っていたのだが、試験慣れしていなかったせいでスコアが低かっただけである。

意図的か否かはわからないが、これを「勘違い」して、たった数ヶ月でTOEICのスコア倍増とかアピールして英語教材を売る人もいるが、数ヶ月で1つの言語を身につけることはできない。特異な頭脳を持った、いわゆる語学の天才ならば可能かもしれないが、一般人には不可能である。これだけは肝に銘じておくべきだ。

話がそれてしまったが、要は、スタート時点の英語力によって、英語習得にかかる時間に大きな差異が発生する。故に、自分の英語力がどの程度のものなのか、しっかりと把握する必要があるのだ。

資格試験を受験せよ

では、如何にしてこれを把握するのか。やはり、TOEICなどの資格試験を受験するのが良いだろう。もちろん、先にも述べたように、「TOEICのスコア」イコール「英語力」ではないので、試験を一度受けたぐらいで正確に把握するのは難しい。ある程度模擬問題集をやり込んでから本番試験を受けないと、実力が如何ほどのものかはっきりさせるのは難しい。

試験を受けるまでもなく、絶対的に自信がある人、或いはその反対の人もいると思う。もちろん、それはそれで良いと思うが、英語をやるならばTOEICはどのみち受験することになるのだから、ある程度勉強をしてから受けるのではなく、始めた時点でとりあえず受けておくことをお勧めする。短期決戦を目指すのならば頻繁に受検する方が良い。試験の難易度は毎回均一ではなく、受験者のパフォーマンスにもムラがあるものなので、数打てば、たまに実力以上のスコアを叩き出すこともある。もちろん、そのスコアがイコール英語力という訳ではないのだが、資格である以上、高スコアの方が面接でアピールしやすいのも現実なのだ。

所要時間の逆算と目標の調整

英語力を把握したら、次は目標値に到達するまでの所要時間を逆算する。時間が明らかに足りない場合は、それに応じて目標を下げる必要がある。英中2トップが無理ならメイン言語をどちらかに絞ったり、或いは二ヶ国語は諦めてどちらか一本に絞ることになる。

達成の可能性が微妙な場合、または逆算できない場合は、それがはっきりするまでの間は英語の学習を続けていくことになる。英語の学習が進めば進むほど、また残された時間が短くなればなるほど、当初の目標が達成可能かどうか読みやすくなる。はっきりした時点で目標を変更するか否かの決断を下せばよい。

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