動詞の重ね型

動詞の重ね型は動作の時間や回数が少量であることを表す。

形態上の規則

1音節動詞AはAAに,2音節動詞ABはABABになる。2つ目の動詞の部分は軽く発音される。※中検3/2級レベル

说说ちょっと話す
调查调查ちょっと調査する
[用例]
  • 你在这儿等一会儿,我去打听打听
  • nǐ zài zhèr děng yīhuìr, wǒ qù dǎting dǎting.
  • ここでちょっと待っててください,わたしがちょっと聞いてきます。

A一A

1音節動詞の場合,前後の動詞の間に“一”を挟んで“A一A”と言うことがある。この“一”は軽声で読む。

看一看ちょっと見る。
[用例]
  • 你先尝一尝
  • nǐ xiān cháng yī cháng.
  • 先に味見してみて。

A(AB)了A(AB)

已然の事態の場合,しばしば中間にアスペクト助詞“了”を挿入し,“A了A”“AB了AB”の形になる。

想了想就说了私はちょっと考えてから話した。
他闲得没事,整理了整理他的办公桌。彼は暇だったので,少し事務机を整理した。

AAB

2音節動詞でもABの結びつきが弱い離合詞の場合は,動詞に相当する前の部分だけを繰り返してAABとする。“一”や“了”が挿入される場合は“A一AB”“A了AB”の形になる。

握握手軽く握手する
握一握手同上
握了握手軽く握手した

意味上の特徴

動詞の重ね型は,動作の時間や回数が少量であることを表す。また,行なう動作が少量であるということから,その動作を気軽に行うことができるというニュアンスを帯び,「ちょっと~する」というような語気を和らげるために用いられる。※中検3級レベル

让我考虑考虑ちょっと考えさせてください。

ちょっと~してみる

気軽に行うことができる,というところから,「ちょっと~してみる」と気軽に試してみる意味も派生する。

你不信自己看看信じられないのなら自分で見てごらんなさい。
有件事我想跟你商量商量ちょっと相談したいことがあるんだけど。

丁寧表現

動作を気軽に行うことができることから,命令文に用いるとより丁寧な言い方になる。

我们休息休息吧。みなさんすこし休憩しましょう。
听听医生怎么说。まずはお医者さんが何て言うか聞いてみましょう。

~したり~したり

日常的な動作について動詞の重ね型を用いることで,気軽に「~したり~したり」という意味を表すことができる。

吃饭前洗洗手,吃饭后漱漱口,要让孩子养成好习惯。食事の前に手を洗い,食後には口をすすぎ,子供に正しい習慣を身につけさせましょう。

未然の出来事

未然の出来事について用いる場合,語気を和らげるというニュアンスが強くなり,動作の「少量」を表すという本来の文法的意味が弱まるので,時間が長い意味を表す連用修飾語で修飾することもできる。

好好休息休息しっかりと休んでください。

動作の繰り返し

同じ動作を繰り返すことを表す。時間の長いことを表すこともある。

AABB

ごく一部の2音節動詞に限られる。AABBの形をとる。

来来去去同じところを行ったり来たりする
来来回回同上
来来往往同上

A(AB)来A(AB)去

“…来…去”の形をとる。

想来想去繰り返し考える
考虑来考虑去同上