中国語文法学習の手引き

文法は主に初級レベルで学習する項目です。

ただし、「中国語文法概論」でも言及しましたが、中国語の運用に必要になる文法項目は比較的少ないため、中国語学習において大きな障害になるものではありません。

中国語の文法学習においては二つのアプローチが考えられます。

1.短期集中法

項目が少ないことを逆手にとって、文法書で先に文法を一通り学習してしまう方法です。

もちろん文法書をやりこんだだけではまだ文法を「理解」した段階でしかない (※参照:「中国語の文法にも『種類』がある」)のですが、先に文法を一通り「理解」しておくと、その後の学習で接触する文法項目は既に「復習・実践」の段階となり、文法の消化吸収が断然早くなるので、早期に文法を骨肉とすることができます。

結果として学習効果は高くなり、文法的基礎のない学習者に比べ短期間でレベルを高めることができるようになります。一部の留学生に見られる中国語レベル急上昇の要因の一つがこれです。

特に中国語の場合は文法項目が少ないので、短期集中法がより高い効果を発揮します。

まずは良質な中国語文法学習書を購入し、それこそなめ回すように徹底的に勉強してください。

ここではおすすめの中国語文法学習書を2冊ご紹介しておきます。

『Why?にこたえるはじめての中国語の文法書』 相原 茂 (著)

NHK中国語講座でおなじみの相原先生による文法学習書です。内容はさすがによくまとまっています。相原ファン必携の文法学習書でしょうか。

『やさしくくわしい中国語文法の基礎』 守屋 宏則 (著)

中国に語学留学していた際、留学生の間で最も受けが良かったのがこの文法書です。

内容も良くまとまっており、初中級者の文法参考書としては傑作と言っていいでしょう。

補足ですが、文法項目は例文と共に覚えるのが効果的です。重要な項目は例文と共に頭に叩き込んでください。

なお、非常に有効な中国語文法短期集中学習法ですが、文法の学習は往々にして「つまらない」もので、且つ例文の暗唱が不可欠となりますので、この学習方法は挫折を誘発しやすいものでもあります。

2.テキスト追従法

無理して文法の詰め込みを行わない方法もあります。それが「テキスト追従法」です。

この方法では文法書はあくまでも参考書として使用し、文法はテキストに出現した項目だけに止めます。

暗唱に使う例文はテキストの文を使えばよいので、文法書付属の短文を例文として暗唱する短期集中法に比べ覚えやすく、且つ文法項目を分散して学習するので負担が相対的に小さくなります。

ただし、テキストでの文法の学習がすでに文法の「復習・実践」となる短期集中法と比べ、テキスト追従法では文法理解が浅いまま新しい課程へ移っていってしまいますので、文法の習得度は短期集中法に比べ低くなるという問題もあります。

テキスト追従法で文法学習効果を高める方法

この二つの方法にはそれぞれ長所と短所がありますので、性格や学習環境を考慮して選択することになります。個人的には「短期集中法」がおすすめなのですが、「根気には自信がない」と自信を持って言える人(笑)には「テキスト追従法」をおすすめします。

そんな方のために、「テキスト追従法」を選択した場合の学習効果向上の裏技をお伝えしておきましょう(笑)。

まぁ裏技と言えるような大げさなものではないのですが、難易度がほぼ同じレベルにあるテキストを重複して学習することで、テキスト追従法の欠点である習得度の低下を防ぐことができます。

無駄なように感じるかもしれませんが、同レベルのテキストをもう一度学習することで内容をより深く理解し、記憶をより堅固にすることができるのです。

もちろん同じテキストを改めて復習しなおしてもいいのですが、テキストの切替は新鮮さを保ち、脳に新しい刺激を与えることができる他、多少変化があるテキスト文に接することで応用力を高めることができるという利点もあるので、予算の許す限り新しいテキストを利用されることをおすすめします。

受動的、能動的習得段階へ

文法を一通り勉強し終えたら、その後は日常の勉強の中で文法の存在を意識しながらリスニングやリーディング、音読などを重ねてください。

この段階では文法を覚えると言うよりも、中国語を理解し、運用する道具として使うことに意識を置いてください。

このように文法を使っていくと、自然に文法項目に対する理解を深め、身につけていくことができるようになります。

受動的、能動的習得段階へ

文法を一通り勉強し終えたら、その後は日常の勉強の中で文法の存在を意識しながらリスニングやリーディング、音読などを重ねてください。

この段階では文法を覚えると言うよりも、中国語を理解し、運用する道具として使うことに意識を置いてください。

このように文法を使っていくと、自然に文法項目に対する理解を深め、身につけていくことができるようになります。

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Time:
2005-11-07 Last modified: 2018-08-15