中国語多聴学習のための映画・ドラマ活用法

中国映画の発展に伴い、日本でも中国映画が紹介されるようになってきました。レンタルビデオショップでも中国映画のコーナーが設けられるようになっています。これに呼応してか中国映画の中国語学習への応用がいろいろなレベルで始まっているようです。

一方で映画と同様に映像学習素材として利用できるドラマですが、中国産ドラマは中国映画に比べて出遅れている感があります。

どちらも映像学習素材としてリスニング多聴学習をすすめる上で絶大な効果を発揮しますが、個人的には映画よりドラマの方が中国語学習により向いていると思います。

映画は2時間そこそこの時間しかないので登場人物の発音・アクセントになじむ前に終わってしまいますが、中国のドラマの場合一話45分で計算しても20話で900分、30時間分になるので登場人物の発音・アクセントによりなじむことができます。発音やアクセントに慣れるとずっと聴き取りやすくなるので勉強が楽しくなりますし、自信もつきます。

映画より会話量の多いドラマ

また、一概には言えないかもしれませんが、映画よりドラマの方が会話量が多いような気がします。中国語学習として視聴している以上、会話量が多いことは重要なポイントです。

また、これは個人差があるとは思いますが、映画よりドラマの方が良質な教材を安定して手に入れることができます。

私はドラマや映画など映像素材に関しては選り好みする方で、勉強のためであっても、つまらない映画やドラマは見ない主義です。ドラマは自分に合ったものを見つければ長期間使えますが、映画はいい物でも悪い物でも2時間で終わってしまいます。常に自分に合った映画を選択できるとは限りませんので結果的に効率が悪くなります。

もちろん「映画ならどんなものでも好き」とか「勉強のためならつまらない映画でも苦にならない」という方はこのような心配はないでしょうが。

ドラマの欠点といえば映画のようにレンタルビデオショップに置かれていない点でしょうか。中国商品輸入ショップで購入するか、先に紹介したSky Perfec TVで視聴するしかありません。

映画・ドラマのセリフが聴き取れない

映画・ドラマの中国語がまったく聴き取れないことを苦にしている学習者がいますが、これは何も不思議なことではありません。

例えば、中国映画のセリフは中国人を対象として作成されています。したがって、たとえ単語が100%聞き取れたとしても内容を理解できるとは限りません。中国の文化や歴史、文学、また生活に関する背景知識がないと理解できないものも多数含まれています。

例えば、私が子供のころNHKの教育番組で「ノッポさん」というキャラクターがいましたが(今はどうなんでしょうか)、これを例えに出して理解できる外国人はまずいないと思います。日本人でも幼少期を海外で過ごした人は分からないでしょう。

このため、たとえTECCで満点を取得しているような人でも映画はそうそう聴き取れるものではないので、聴き取れないからといって落ち込む必要はありません。

リスニング力が低い場合は先に日本語版を見てから中国語版を見ることも有効です。事前に会話の内容が頭に入っていると結構聴き取れるものです。

また、あくまでも多聴学習として利用するので、あまり細かい部分は気にする必要もありません。あくまでたくさん「聴く」ことに主眼があるのですから、聴き取れなかったところがあってもそのままスルーして構いません。

おすすめ中国ドラマ学習素材

ここでは最近管理人が見たおすすめのドラマをいくつかほど紹介しておきます。

1つ目は『中国式離婚』です。タイトルは「中国式」ですが、はっきり言って「中国式」からはかけ離れた離婚物語です。

しかし、ホラーとしてみるとよくできてます。特に妻「林小鳳」を演じるチャン・ウェンリーの演技には凄みがあります。見ていると引き込まれる感じです。こんな奥さん娶ったら寿命縮みます。

また中国語学習という角度から見ても、発音は明瞭で聴き取りやすく、またセリフの中に適度に成語が散りばめられているのがいいところです。

『中国式離婚』の詳細はこちら

2つ目は『大宅門』。清末期から新中国建国初期までの大旧家を舞台に繰り広げられる大河ドラマです。

これは個人的には近年一押しのドラマです。特に主演の陳宝国の演技は抜群、かなりシリアルな話なのですが、適度に散りばめられたユーモアのため、重く感じないとことがいいです。

また、ドラマの中で描かれている人物描写が卓越しており、いい意味でも悪い意味でも中国人の特徴・性格というものを見事なまでに浮き彫りにしています。

中国語学習という角度から見ると大河ドラマということもありちょっとレベルが高めになりますが、近代中国社会を理解するにも有用なドラマなので、挑戦の意味も込め視聴されることをおすすめします。

『大宅門』『続・大宅門』の詳細はこちら

3つ目は『恋・愛・都・市~恋がしたい』(原題:『好想好想談恋愛~The Bachelorettes』)。2004年年末に放映され注目を浴び、中国版『SEX and the CITY』と言われた人気ドラマです。

純粋に面白かったです。軽快なノリの、いわゆるラブコメディですね。恋愛系ドラマが好きな方にはこちらがいいのではないでしょうか。

詳しくは……

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