中国語学習「入門」編

入門レベルの学習は結構楽しいものです。すべてが新鮮で、学ぶフレーズも簡単で身近なものばかりなので面白みがあります。おまけにやる気満々ですから勉強はさして苦になりません。

中国語では入門レベルの重点は「発音」と相場が決まっていますが、これも始めは「まー(平たく)、まあ(尻上がり)、まぁあ(沈んでから上昇)、まぁー(落下)」(※注:括弧の中は声調)と叫んだりして、これはこれで結構楽しかったりします。

しかし、このような新鮮味、やる気は時間を経るにつれ失われていくものです。その前に入門レベルを少しでも早く駆け抜けるのが効果的な中国語学習の第一歩というもの。そこで、ここではいち早く初級レベルに達するための中国語学習法について考えていきたいと思います。

なお、ここでは「国内」で「独学」で中国語を「一から」学習することを前提に考えていきたいと思います。中国語教室に通っていたり、第二外国語として中国語を学んでいる場合等は個々人の状況に応じて情報を取捨選別し適当な形で応用してください。

留学する場合等については別途稿を改めて考えてみたいと思います。

まずはテキスト選び

お決まりのパターンですが、中国語の入門レベルはそのほとんどが発音学習のためにあるようなものです。発音学習については『中国語の発音と四声』で詳述していますのでここでは割愛します。別途ご参照ください。ここでは発音以外の部分について考えていきたいと思います。

入門レベルでは発音練習が優先ですが、発音ばかりやっていても何なので、一通りピンインを覚えたら簡単な会話文で構成されている、いわゆる入門用テキストを使って簡単な会話表現と文法を学んでいきます。

テキストについては『国民的中国語教本 ときめきの上海』をおすすめします。「中国語教材を斬る!」で取り上げていますので別途ご参照ください。

また、合わせて辞書も用意しますが、中国語の辞書に関しては「中国語辞書の選び方」で詳述していますので、こちらも別途ご参照ください。

語彙力増強は後回し

ボキャビルは語学の基本ですが、私はこの段階では慌ててボキャビルを始める必要はないと考えています。テキストの中で出てきた新出単語を押さえていけば十分で、別途単語暗記用の学習書を購入する必要はありません。

時間に余裕がある場合はテキストの進捗速度を速めてください。ボキャビルは初級以降に行う方が学習法の選択により幅が出るので、より高い効果を期待することができます。

文法は慌てず騒がずゆっくりと

文法もボキャビルと同じくテキスト文の理解に必要になるだけで十分です。文法は初級段階で集中的に学習します。

中国語学習ソフトの利用

21世紀に入り中国語学習の世界にも技術革新の波が押し寄せてきました。それが「中国語学習ソフト」です。

「中国語学習ソフト」は動画で発音の学習ができたり辞書や問題集と連動した単語帳機能がついていたりなど、従来のテキスト・CDによる学習に比べよりよい学習環境を提供してくれます。

また、練習問題などがゲーム化され、楽しく学習できるよう設計されているものが多く、これまでの学習方法に比べストレスを大幅に軽減することができます。

今後はこのようなソフトウェアを使用した学習が徐々に主流となってくるのではないでしょうか。

価格的にもテキストを買い集めた価格と比べてそれほど大きな差はないので、テキストを使用した独学が苦手な学習者は中国語学習ソフトで中国語習得のスタートを切ってもよいと思います。

なお、入門レベル向けの中国語学習ソフトウェアについては「総合中国語学習ソフトウェア」で解説してますので、別途ご参照ください。

中国語通信講座の利用

ある程度のレベルまで達すれば自己流の型もできてきますし、自分に何が足りなくて、それをどうやって補っていくかということも自ずとわかってくるようになります。

しかしながら、これから学習を始めるという人にとっては何から始めていいのかまったくわからないのが普通で、入門からスタートする場合、独学というのは一般に考えられているより難しいのです。

しかも語学は「始めが肝心」で、第一歩目で躓いたり進む方向を踏み外したりすると、後々禍根を残すことにもなりかねません。

このため、中国語はまったくゼロから始める、という方は慎重に慎重を重ねてスタートを踏み出す必要があります。

このように考えてくると、独学する自信がない方、独学が苦手な方は素直に通信講座等の学習プログラムを利用しても良いのでは、とも思います。特に入門・初級の部分は通信講座も充実していますので、中途半端に資金と時間を投入して失敗するよりも、多少投資額が膨らんでも基礎をしっかり固めておいた方が賢い選択なのではないでしょうか。

まとめ

繰り返しになりますが、中国語学習における入門レベルはほとんどが発音習得のためにあるようなものです。

このため、学習法の構築という点からはあまり工夫や選択の余地がありません。強いて言えば辞書やテキストの選別ぐらいなものでしょうか。

なお、発音については発音学習の項でも述べたようにセンスによるものも大きいので、あっさりと身につく人もいればいつまでたってもしっくりいかない人もいます。

もちろん発音が苦手だからといって中国語のセンスがないとは限りません。また、練習を続ければ誰でも及第点を越えるぐらいの発音を身につけることは可能です。

発音がいまいちだからと発音学習だけにしがみついていては嫌気がさしてしまいますので、適当なところで初級レベルの学習に移行してください。テキストに沿ってそのまま進んでいけばいいと思います。

現実的な話として入門と初級の境界線はあってないようなものです。初級レベルでも発音練習は継続しますし、テキストも入門初級一体となっているものも少なくありません。

入門とは初級の始めの部分と考えるのが正しいところなのでしょう。どのみち発音の矯正は初級レベルに入っても続きますのであまり重く考えないでください。

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Time:
2006-01-09 Last modified: 2018-08-22