繁体字とは

繁体字とは中国大陸で簡略化された簡体字の簡略前の旧字体のことです。現在通用している繁体字は康煕字典の字体にほぼ準じたもので、中国大陸とシンガポールで使用されている簡体字に比べ非常に画数が多いのが特徴です。

現在繁体字を通用文字としているのは台湾、香港、マカオで、中国大陸では広東地方でよく見かけます。簡体字が標準であるはずの広東省で広く繁体字が使用されているのも不思議ですが、このあたりは中央から遠く独立性が強い広東省の一面を表しているのかもしれません。

それはともかく、簡体字教育がはじまって半世紀になる中国大陸では繁体字を読めない人も増えてきていますが、一方で名刺に繁体字を使うのが流行したりするなど、別の形で繁体字が復権しているようです。

なお、識字率向上に一定の目処がついたので古典を学ぶのに便利な繁体字を復旧させるべきだという意見が一部の学者から提起されていますが、大多数の学者はこの意見を否定しています。