パソコン・インターネット学習のための中国語辞書

パソコンを使って中国語を学ぶのならば、パソコン上で動く中国語辞書が何かと便利な存在になるのは言うまでもないことですね。

電子辞書は確かに便利ですが、電子辞書をパソコンの脇に置いて、わからない単語に遭遇したら電子辞書に入力して引く......では、従来のペーパー型テキストとなんら変わりがありません。

そもそも、パソコンを使った学習の強みはパソコン上ですべて完結できるところにあります。パソコン上で動く中国語辞書ソフトなら、マウスのカーソールを単語にかざしただけで意味が表示されるのですから、いかに電子辞書が優れていても、パソコンというフィールド上では中国語辞書ソフトにはかないません。

と、いうわけで、話は中国語辞書ソフトとなります。狭義ではOSにインストールするタイプの中国語辞書ソフトを指しますが、本項では、Webサービスとしてオンライン提供されている辞書サービスも、広義の中国語辞書ソフトとして、ここに含めてまとめます。

オンライン中国語辞書

中国語辞書ソフトとして最も手っ取り早いのがオンラインで提供されるWebサービスとしての中国語辞書です。

この辞書はインターネットにさえつながっていれば、ブラウザで辞書を引くことができます。特にソフトウェアをインストールする必要はありません。

また、現在のところ、これらオンライン中国語辞書は無料で提供されているので、費用もかかりません。

しかしながら、ここまでは何かといいこと尽くめですが、オンライン辞書には大きな弱点が存在します。もちろん、この弱点はインターネットに接続しないと使えないなどという20世紀的発想なものではありません。今や無線でどこでもインターネットな時代ですから。その弱点とは、現在のところ、大型辞書に相当する中国語辞書が、オンラインでは提供されていないところにあります。

オンライン中国語辞書として有名なのがポータルサイト「エキサイト」にて提供されているエキサイト中日日中辞典ですが、この辞書は三省堂の『デイリーコンサイス中日辞典』と『デイリーコンサイス日中辞典』をオンライン辞書化したもので、中日辞書は約4万項目、日中辞書は約3万語の中型辞書でしかありません。

この規模の辞書は、入門初級レベルならば事足りますが、本格的な中国語習得を考えている学習者にとっては物足りないものです。

エキサイトの中日日中辞典以外にもオンライン中国語辞書は複数存在しており、その中に収録語彙数が10万を超える大型辞書級の語彙数を誇る辞書もあるにはありますが、発音と語義の記載しかなく、例文が付属していないという、学習用辞書としては致命的な欠点を抱えています。

このように、現状ではオンライン辞書ですべてを済ませてしまうのは難しいのが実際のところです。

フリー中国語辞書ソフト

そこで電脳中国語学習の主軸となるのがインストール型の中国語辞書ソフト。オンライン辞書にはない大型辞書も収録されている、電脳学習の切り札です。

中国語辞書ソフトにはフリー・有償いずれも存在します。そこで、まずは気になるフリーの中国語辞書から見ていきましょう。

フリーの辞書ソフトとして有名なのが「LINGOES」です。厳密に言えば「LINGOES」は辞書ではなく、辞書のプラットフォームを提供するソフトで、「LINGOES」に使いたい辞書、厳密言えば辞書データを追加することで、辞書ソフトとなります。

「LINGOES」の強みはその辞書データの量。英日中仏独露韓etc.の外国語辞書データが大量に、しかも無料で提供されています。もちろん、中日日中辞書も多数あります。まぁ、大半は日本では聞いたことのないような名前の辞書ばかりですが。おそらくは、中国製の中日日中辞典だと思われます。

ただ、その中で一つ異彩を放っているのが、愛知大学の中日大辞典の辞書データです。日本最大の中日大辞典として有名なこの辞書、無料で提供されているんですね。著作権どうなっているんだろう......初版のデータなのかな......でも、第二版となってるし......それでももう20年経ってるから著作権切れしてるのか......そんなはずは......疑問はたくさんありますが......まぁ......ありがたく使わせていただきましょう。

Aichi University Comprehensive Chinese-Japanese Dictionary

中日日中辞典の他にも中英英中辞典、英日日英辞典なんかもたくさんあるので、中国語学習に限らず、パソコンライフを豊かにしてくれる素敵なソフトです。入れておいて損はないと思います。

次いで使えるのが老舗の辞書プラットフォーム「PDIC」です。かなり古くから存在する日本発のソフトということで、こちらの方が馴染み深いという方も少なくないのではないでしょうか。

中国語辞書データとしては「ctrans.org」で提供されている辞書データが良いでしょう。翻訳業に携わっておられる作者様が公開されております。一応有償ではありますが、無料でも使えてしまいます。でも、気に入ったら送金するのが筋と言うものですよ。

中国語統合ソフト付属辞書

上述のフリーの辞書も非常に有用ではありますが、日本で発行されている主流の大型中日日中辞典は収録されておらず、また、発音を音声で確認することができないという、特に入門初級レベルの学習用としては致命的な欠点を抱えています。

まぁ、あくまで無料ソフトですから、そこまで要求するのも無茶な話ですが。

そこで、日本製の主流大型中日日中辞書が欲しい場合は、中国語統合ソフトにパッケージされている中国語辞書ソフトを選択することになります。

小学館の大型中日日中辞典、愛知大学の中日大辞典、新語辞典、パソコン辞典が収録されており、発音の音声も確認できるなど、そのパフォーマンスは絶大です。パソコンの中で動く中国語電子辞書と考えれば良いでしょう。

電子辞書のように単語帳機能もあるので、学習用としてはフリーソフトとは比べ物になりません。中国語IMEとも連携しており、中国語そ入力しながら辞書を確認できるなど、パッケージソフトとしての強みも無視できません。

ただ、その分お値段もちょっと高め。純粋な辞書ソフトではなく、パソコンでさまざまな中国語処理を行うためのソフト群ですから。

もっとも、本格的に電脳中国語学習を行うつもりならば、購入しておいて損はないでしょう。

中国語統合ソフトとしては高電社の「チャイニーズライター」とオムロンの「楽々中国語」が有名です。この両者についてはレポートを公開していますので、別途ご参照ください。

チャイニーズライター9
楽々中国語 V5
中国語統合ソフトウェア比較検証レポート......Chinese Writer 9 vs 楽々中国語 V5