共通語「普通話」とは

「普通話」とは新中国成立後制定された共通語のことで、発音・語彙・文法の3点から次のように規定されています。

発音:北京語音を標準音とする
語彙:北方語の語彙を標準とする
文法:現代白話文によって著された代表的著作で使用されているものを標準とする

発音は北京語音を標準とするとされていますが、これはあくまでも一定の処理を経て体系化された上での音韻体系を標準とする、という意味で、「老北京」と言われる、代々北京に生まれ育った人が使うような北京語の発音(日本語で言うなら江戸弁みたいなもの)とはかなり異なります。

あえて言えば、普通話の発音は人工的に作られた発音と言ってもいいでしょう。

語彙は北方語を標準としているので、北京語に比べ広い範囲で使用されている語彙が対象となっています。

この北方語は長江以北、長江以南では鎮江から九江までの長江沿岸地域、四川・雲南・貴州の漢族地区、湖北省の大部分、広西壮族自治区の西北部、湖南省西北部という非常に広範囲で使用されています。

これら地域で使用されている語彙の中には地域的ものもありますが、これらは普通語から排除されています。

文法は発音や語彙に比べ地域差異が小さいので、普通話を習得し、方言の発音の特徴と地域的な語彙を習得すれば、方言も理解できるようになります。