退職して臨む中国留学

これまで大学に在籍している学生の中国留学プランについてあれこれ考えてきました。前項までで一通り終了しましたので、本項からは社会人の中国留学プランについて考えてみたいと思います。

勇気のいる決断

これまで度々中国現地での就職は職歴、つまるところ「経験」が重要になると強調してきました。

社会人留学の強みはまったく異なる業種職種に鞍替えするケースを別にしてこれに困ることがないところにあります。

ちなみに、「経験」とみなしてもらうには、職歴が最低3年、できれば5年あるのが理想です。仮に22歳で卒業就職したとすると3年で25歳、5年で27歳です。職種にもよるとは思いますが、会社には慣れ、給料も上がり始め、同期の結婚話が流れ始める頃だと思います。

この時期に会社を辞め、一人日本を離れ、中国での留学生活を始める......かなり勇気のいる決断になるのではないでしょうか。

逆にそれだけの覚悟を決めて留学してくるのが社会人留学生なので、学習意欲は高卒直行組、大学在籍組と比べておしなべて高く、一見年齢的に不利と思われる社会人でもそれなりの中国語を身につけていく人が少なくありません。

目標となる中国語レベル

では、社会人留学生が目標とすべき中国語レベルはどの程度のものなのでしょうか。

一言で言ってしまえばHSK7級以上。できれば8級。

業種にもよりますが、十分な経験さえあれば6級でも問題はないと思います。ただ、留学までして中国語を学んだんですからせめてHSK7級ぐらいは取っておきたいものです。

以前中国留学前に到達すべき最低限の中国語レベルを中国語検定3級合格レベルとしましたが、このレベルで中国に1年留学するなら、社会人でもHSK7級・8級取得は難しいものではありません。もちろん正しい学習法で、まじめに勉強して、の話ですが。

もし多忙等の理由で中国留学前に中国語を勉強することができない場合は1年でHSK7級取得は少ししんどいかもしれません。もちろん正しい学習法で、真剣に勉強すればイチから始めて1年でHSK8級だって十分可能です。ただし、誰でも到達できるという保障はできません。

このような場合は保険をかけて2年間の中国留学計画を建てておいた方が無難です。2年目は就職活動をしながら勉強すればよいでしょう。