シャドーイングはさまよえる中級を救う ~ 中国語シャドーイングテキスト

中国語で中級と言うと連想されるのが「さまよえる中級」と呼ばれる中国語習得における独特?の現象です。

いつまでたっても中級を突破できない中国語学習者が少なくないのはなぜか......理由は中国語という言語自体と中国語と日本語の関係性に由来するものなのですが......この話をはじめると本題から外れていってしまいますので、ここでは割愛してしまいます。

簡単に要約すると、中国語は初級が短い分、相対的に中級が長くなること、また中級は入門初級のように明確なゴールとなるものがなく、且つ学習の重点が質から量へと移行していく過程にあるので、明確に上達した、という実感が湧きづらい等々という性質を持つためです。

まぁ細かい話は止めておきましょう。発音に継ぐ次の中国語習得の難関である「中級」。この中級を乗り切るための学習法をテキスト選択という角度から考えてみましょう。

シャドーイングでいこう

中国語学習において、初級からの延長の感覚で中級の学習を続けていると、そのうち詰まります。いつまでたっても上達が実感できない期間が続くので、ダレてきてしまうのです。

このダレを回避するためには、学習を進める過程で学習方法や学習するテキストの内容を変えることで新鮮味を保ち、脳に新たな刺激を加えてやることが大切です。

そこで、ここではまず中級レベルで効果が高いものと思われる学習法である「シャドーイング」を取り入れたテキストについて紹介します。

「シャドーイングって何?」と思われた方も少なくないかもしれませんが、「通訳養成の学習法」として近年外国語教育産業界で最も注目を集めている学習法です。

中国語もその例外ではなく、市販の中国語テキストにもシャドーイングと銘打った学習テキストが出版されています。

中国語シャドーイングテキスト

リスニングとスピーキングを同時に磨くことができるのがシャドーイングの優れたところです。向き不向きはありますが、中上級レベル学習法として、特にスピーキング力の向上において絶大な効果を発揮します。

2004年に中国語テキストで初お目見えしたシャドーイング。2007年5月現在に至るまで出版されたテキストは5冊のみですが、シャドーイングはコツを掴んでしまえばどんなテキストだって実行可能です。もちろん音声が付いていることが大前提ですが。

通常のテキストでシャドーイングの練習をしてもかまいません。上級レベルに近づけば衛星放送やインターネットから落としてきた音声ファイルをそのまま使う事だって可能です。できればテキストがついているものを探してみてください。

究極のレベルはニュース等についてライブでワンフレーズ遅れでシャドーイングをすること。これが出来る人は通訳を目指してもいいでしょう。

もちろんこれは先の話。中国語力が低い段階では繰り返し再生できて、且つテキストがついているものを使用してください。

入門からシャドーイング?

ブームに乗っかって入門レベルからシャドーイングを行うテキストも出版されましたが、正直なところ入門の段階でシャドーイングを取り入れる必然性がどこまであるのかは疑問です。シャドーイングブームに乗っかりたい出版社がごり押しでもしたのでしょうか。

直接テキストを手にとって確認した訳ではないので、絶対にダメ、と断言できるわけではないのですが......

なお、中国語のシャドーイングについては次のページでも言及していますので、合わせてご参照ください。

中国語シャドーイング