結果補語

動詞の直後について,動作の結果を表す。補語には動詞や形容詞を用いる。

基本項目

結果補語は,動詞の直後について「動詞+結果補語」のフレーズを構成するので,厳密に言えば動補句となるのだが,実際には動詞と補語が一体化して広義の複合動詞として機能するため,そのまま動補句全体で目的語や動態助詞を伴って用いることができる。特に結果を表すという性質上,完了の動態助詞“了”を伴って用いられることが多い。※中検4/3級レベル

動詞補語動態助詞和訳
見えた。
聞いてわかった。
我收了录取通知书。
私は合格通知書を受け取った。
Wǒ shōu dào le lùqǔ tōngzhīshū.
人到了,开始吃吧。
みんな揃ったから,食事にしましょう。
Rén dào qí le, kāishǐ chī ba.
你一定走了吧?
さぞ歩き疲れたでしょう。
Nǐ yīdìng zǒu lèi le ba.

否定形

結果補語は結果を表す表現なので,否定には副詞“没(有)”が用いられるのが普通である。“了”を伴っている場合,動態助詞“了”は外れる。

例文
肯定
了。
読み終えた。
Kàn wán le.
否定
読み終えていない。
Kàn wán le.
他还学会游泳。
彼はまだ泳げない。
Tā hái méi xuéhuì yóuyǒng.

ただし,“没(有)”は結果補語が表すところの結果の実現を否定しているので,動作自体を否定しているわけではない。動作自体を否定する形も存在するが,これは条件を表す場合に用いられる限定的な用法である。

你不带,我拿走了。
あなたが持っていかないのなら,わたしがもらっていく。
Nǐ bù dài zǒu, wǒ ná zǒu le.

結果補語の意義と特徴

結果補語は次のような意義と特徴を持っている。

結果の明示

中国語の動詞は動作や行為のみを表し,その動作行為の結果の意味を含まないものが多い。

例えば,日本語の「買う」には,買った結果として手に入れたという意味まで包含するが,中国語の“买了”は買うという動作を意味するだけで,その結果手に入れたかどうかははっきりしない。購入して入手したことを明確にしたい場合は,“买到了”というように結果補語“到”を動詞につけることで,購入して入手したことを明確にする必要がある。

意味上の重点

「動詞+結果補語」から構成する動詞性補充フレーズでは,往々にして結果補語に重点があることが多い。例えば,“吃饱了”(食べて腹いっぱいになった)は,“饱”に重点があり,“吃”はあってもなくても文として成立し,文意もほとんど変わりない。一方,結果補語を省略すると,文意が大きく変わる。

例文
動詞+補語
吃饱了。
私は腹いっぱいになった。
Wǒ chī bǎo le.
補語のみ
了。
私は腹いっぱいになった。
Wǒ bǎo le.
動詞のみ
了。
私は食べた。
Wǒ chī le.

上記の例からもわかるように,日本語では結果補語だけで済ますケースが多く,和訳の場合も動作行為の部分は省略してしまう方が自然な訳になることが多い。

因果関係

結果補語は動作行為の結果を表すものであるため,自然とその動作からもたらされるべき因果関係を表現するものが多い。このため,基本的には実義的な意味を持つ動詞や形容詞が用いられる。

干净了。
洗ってきれいになった。
Xǐ gānjìng le.
明白了。
聞いてわかった。
Tīng míngbai le.
清楚了。
見てはっきりした。
Kàn qīngchu le.

実義的な意味が薄れ抽象的な意味を表すものもある。

例文補足
了。
食べきった。
Chī guāng le.
”は何もない,何も残っていないことを表す。
了。
食べ終わった。
Chī wán le.
”は動作を完結することを表す。
了。
探して見つかった。
Zhǎo zháo le.
”は目的に達することを表す。
了。
きちんと覚えた。
Jì zhù le.
”は停止・阻止・安定・固定の意味を表す。

動詞+在

「動詞+“在”+場所」の形で,動作の結果としてあるものがその場所に存在することを表す。この構文は二通りの解釈が可能で,「“在”+場所」を介詞句補語とする解釈と,“在”を結果補語として「動詞+“在”」で動詞性補充フレーズとみなし,それに場所が目的語として付随するとみなす解釈がある。

床上看电视。
ベッドに寝転んでテレビを見る。
Tǎng zài chuáng shàng kàn diànshì.
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Time:
2008-07-04 Last modified: 2020-07-29