ビジネス界における中国語の地位

本項はこのテーマから始まります。 一応メインテーマは学習法なので不自然に思われるかもしれませんが、個人的にはこのような情報は中国語学習者にとって最も重要なものだと考えています。

別に私などが書かなくても誰でも調べることが出来ることなのですが、(当時の私も含めて)学習者は中国語力を伸ばすことで頭がいっぱいで、往々にしてこの方面をおろそかにしてしまいがちなので、注意を促す意味も込めて冒頭にもってきています。

高まる需要

近年、中国経済が中国の改革開放によって急速に発展しています。それに伴い、隣国である日本との交流が盛んになってきています。交流が盛んになれば、当然中国語に対する需要も高まります。

特に日本のビジネス界にとって、中国市場は無視できない巨大マーケットとして成長してきていますので、ビジネス界においての中国語需要は空前の高まりを見せています。

これに加え、近年の厳しい就職環境もあって、外国語を習得して就職・転職の武器にしたいという人が増えています。 そこで、ビジネス界で需要が高まっている中国語が注目を浴びます。

なかでも英語が嫌いだった人にとって漢字を使用する中国語は過去を引きずることなく一からスタートできるという利点があり、英語嫌いにとってはまたとないスキルとなっています。

しかし、ここに落とし穴が潜んでいます。

英語至上主義の日本

日本人は英語コンプレックスがあるせいか、英語を崇め奉る傾向があります。日本人にとって外国語といえば英語で、英語こそが世界共通語であるという幻想を抱いている人が多数を占めています。

ビジネスの世界ではこの傾向が強く、たとえ中国語ができると言っても英語ができなければ、

「英語ができなければ、中国語ができても意味がない。」

と見なされてしまいます。

特に大企業の国際部は英語に堪能な人が多く、英語はできてあたりまえ、という傾向が顕著にあります。もっともビジネスの世界では英語が圧倒的な地位を築いていますので、このような状況はあながち非条理なものではないのですが。

このため、中国人との商談でも、先方が英語を使用できる場合は、英語で行うことになります。海外と取引を行う中国企業の場合、英語ができる人が多いので、英語ができないとお話にならないという状況になることもあります。

せっかく苦労して中国語を習得しても就職面接では英語のことを聞かれ、たとえ入社できたとしても、英語ができないことに対するコンプレックスを持ちながら仕事をしていてはストレスが溜まる一方です。

このため、中国語を就職に活かしたい、という現役学生の方には、先に英語を習得されることをおすすめします。英語を習得といっても、TOEICでBクラス(730以上)を取得するだけで十分です。学生だったら、1年もあればTOEICで730ぐらいはクリアできます。

新卒で就職活動する場合はTOEICで730あれば問題ないので、まずはTOEICでBクラスを取得してから、中国語の習得を検討した方がいいと思います。

既に社会人で、中国語を使った仕事をしたいということであれば、時間の都合上英語は捨てて中国語を勉強するより他ありませんが、場合によっては人生の選択の幅を狭めてしまう場合もあることを覚悟しておいてください。

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