中国語文脈ボキャビル法 実践編

本頁では前頁で紹介してきた学習素材を利用した学習モデルケースを示しておきたいと思います。

ただし、学習環境は個々の学習者によってまちまちなので、ご自身の状況に合わせて期間、分量等の増減を行ってください。

ここで大切になるのはコツをつかむことです。まずはあわてず、ゆっくりと基本を身につけることに専念してください。

本頁で例示する中国語単語学習法は1週間から10日のサイクルで単語を覚えます。以下順を追って説明していきます。

1.音声を聞く

まずは音声を聞きます。少なくても3回は聞いてください。時間と気力がある方はディクテーションしてもいいですが、単語を覚えることだけが目的であるならば別にそこまでしなくても構いません。

2.文章を読む

まずざっと読んでみてください。文章の難易度は高くないので、内容を理解するのは難しくないと思います。

読んでいる途中で「知らない単語」があった場合は、すぐに辞書を引かず、文章の前後や全体の流れから意味を推測してください。

また、「知らない単語」「覚えている気はするけど曖昧な単語」、「音声を聞いた際聞き取れていなかった単語」がありましたら、丸や四角で囲むなり線を引くなりしておいてください。

3.対訳を読む

日本語訳を読んでみて、自分の読解が正しかったかどうか確認してください。

4.単語の確認

チェックした単語を確認していきます。新出単語について発音が分からない場合は必ず辞書を引き確認してください。

発音が分かる場合は対訳で大体の意味が確認できるので必ずしも辞書を引く必要はありませんが、対訳の日本語に過度に依存しすぎないよう気をつけてください。

なお、対訳は意訳されている部分がありますので、対訳の日本語語彙=中国語語彙となる訳ではありません。日本語の対訳は補助的なものですから、あくまでも中国語文の中で単語を意味・用法を理解するようにしてください。

「覚えている気はするけど曖昧な単語」についても確認する必要がありますが、おそらく発音は分かっていると思いますので、この場合は辞書を引く必要はありません。

ただし、発音も曖昧な場合は必ず辞書で確認してください。対訳でだいたいの意味を確認し、文章のなかで用法を理解してください。

また、この過程の中で、チェックした中国語の単語について日本語の対訳の中で対応する部分にもチェックを入れておいてください。

なお、確認した発音や意味ですが、通常の学習書の場合とインターネット経由で採取したテキストデータの場合ではやり方が変わってきます。

通常の学習書の場合は教材の余白に意味、発音を書き込んでください。単語帳の作成はおすすめできません。

単語帳をつくるとどうしても手間がかかりますし、データベースソフトで作成した場合のようにソートや編集ができないので、単語が増えれば増えるほど非効率になっていきます。

テキストデータの場合はExcelやAccess等でデータベースを作ってください。シンプルなものならExcel等の表計算ソフトが手軽ですが、高機能なものを作る場合は、Access等のデータベースソフトが便利です。

また、単語を確認する際自分のレベルと比べて難易度が高すぎる単語は飛ばしてください。なぜ飛ばしてしまうのかと言うと、一言で言ってしまえば覚えられないからです。

難易度の高い単語は使用頻度が低いのでこの学習法はあまり向いていません。この学習法を成功させるには、学習する単語を一定レベルまでに保つ必要があります。

覚える単語と覚えない単語に線を引く方法はいろいろあります。もし資格試験を受ける予定ならば、自分の目標を達成するのに必要な範囲の単語を覚えるようにしてください。

例えば、中国語検定3級を受けるのに1級に必要になる語彙を覚える必要はありません。線引きの際は各種資格試験対策書などをご参照ください。

5.もう一度読む

全て確認が終わったら改めて文章を読みます。読む際チェックした単語については2回発音し、適当な紙に書き取ってください。

書き取る際は10回も20回も書く必要はありません。単語を見ずに書き取ることができれば十分です。単語の意味については「こんなような意味なんだ」といった感じで流してください。

大切なのは日本語の意味そのものではなく、文脈の中で、どのような単語と一緒に、どのようなニュアンスで使われているか、という点を「理解」し、その単語が表すものそのものを「イメージ」することです。

この段階では単語の日本語訳は追いかけずに、単語の用法を理解し、単語と文章全体をイメージすることに集中してください。

最後に、もう一度音声を聞いて、チェックした単語が聞き取れるかどうか確認してください。

これで初日は終了です。

2日目~(第1段階)

翌日まず一度音声を聞き、それから同じ文章を改めて読みなおしてください。

この場合も初日と同じように、チェックした単語まできたら2回発音し、書き取ってください。なお、3日連続(あくまでも目安です)で書き取れた場合は、次回から書き取りをする必要はありません。

また、単語の日本語訳についても初日と同様に流していくようにしてください。無理に覚えようとする必要はありません。書き込んだ日本語訳を見るのも自由です。

この段階では大切なのは単語の意味ではなく、あくまでも「理解」と「イメージ」です。これを数日続けます。

期間については選択した文章の長短や難易度によるところが大きいので一概に申し上げることは難しいですが、慣れるまでは長めに取った方がいいと思います。1週間から10日ぐらい続けてみてください。

文脈のイメージ化が終了したら、第2段階に進みます。

第2段階

第2段階は音声のみで、文章を読むことはしません。チェックした単語を聞いたらすぐ発音し、意味を思い浮かべてください。発音と意味の確認に際しては音声を止めてもかまいません。

意味が出てこない場合は文章を確認し、イメージしてきた文脈を思い浮かべてみてください。そこから単語の意味を引きずり出してみてください。

単語を聞いてすぐに意味が思い浮かぶようになったら基本的に終了です。この文章はしばらく漬け置き期間に入ります。

第3段階

漬け置き期間は対象となっている語彙の難易度によってまちまちです。

語彙のレベルが低い場合は1ヶ月ぐらい置いておいてもいいのですが、中級から上級に差し掛かるぐらいの難易度の語彙の場合は期間を短めにしてください。

これで1セットとなりますが、これだけでは10日前後で20個前後の単語しか覚えられません。これでは少なすぎるので量を増やす必要があります。量を増やす場合は文章を長くするのではなく、同時に行う文章の数を増やすようにしてください。文章を増やす際はスタートする日付をスライドするようにすると効果的です。

例えば、文章Aの2日目に文章Bの初日を持ってきます。そして文章Aの3日目、文章Bの2日目に文章Cを始めます。このようにスタートする日付をずらすことで負担を平準化することができます。

また、所用などで時間がない場合は新規の文章を追加せず、既にスタートしている分を消化する方を優先してください。

手間がかかるのは初日だけで、既に開始している分は短時間で終わるので、よほどのことがない限り時間がなくてできないということはないと思います。

第4段階

一定期間経過したら確認と復習を行います。確認方法ですが、日本語訳だけを見ていくようにしてください。

チェックした単語に次々と目を移していきます。単語を一目見た段階ですぐに意味が出てくれば、その単語は既に覚えたと見なします。

文章レベルの選択やイメージ化等に成功している場合はほとんど覚えていると思います。

逆にレベルが高すぎる文章を選択していた場合やイメージ化に失敗していた場合は記憶できていない単語の割合が高くなります。

この場合は文章と単語の難易度を見直し、再度イメージ化からやり直してください。

再処理

どんなにうまくいってもポツポツと忘れているものがあります。それについては改めて文章を読み直し、意味・用法を確認した後、別途処理を行います。

これも通常の学習書の場合とインターネット等で採取したテキストデータの場合ではやり方が異なります。

通常の学習書の場合は別途単語カードを用意します。単語カードといっても市販の単語カードはおすすめできません。小さすぎるからです。小さな字で書き込んでもたいした量を書き込むことができませんし、何より見にくいです。

私の場合はA6のメモ用紙を使用しました。表には単語以外に、出典テキスト名、ページ等を書き込みます。文章を参照するためです。裏には日本語の意味を書き込んでください。なお、出典テキスト名は、記号等に置き換えると手間が省けます。

使用方法は単純です。裏の日本語を見てすぐに意味が言えるようにします。意味が出てこない場合はテキストの文章を参照し、イメージ化を再度行ってください。

意味が出てくるようになったらまた寝かします。一定期間を経過したらまたやり直してみてください。

PC等でデータベース化している場合でも確認方法については学習書の場合と同様です。単語を見てすぐに意味が出てこればOKです。

もし出てこない場合は、文章を読みなおし、単語の意味と用法を確認しなおしてください。

テキストデータの場合単語をデータベース化しているのでソートは簡単です。忘れているものにはチェックを入れ、覚えるまでイメージ化と確認を繰り返してください。

無意識に単語を使用しながら覚える

この中国語文脈単語学習法のポイントはたくさんの文章に接することにあります。

新出単語の割合が低いということは既出の単語に接する機会が多いわけで、無意識のうちに過去覚えた単語の復習を行っていることになります。

寝かせる期間を設けるのは単語を覚えたかどうか判定するためだけではなく、この期間中に他の新しい単語を覚える過程で覚えた単語が文章中で使用されるのを期待しているからです。

「無意識に単語を使用しながら覚える」これこそがこの中国語単語学習法の主眼なのです。

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