中国語における精読と多読

リスニングに精聴と多聴があるように、リーディングにも「精読」と「多読」があります。

そしてリスニングの場合と同様、これら二つのリーディング法は優劣の関係にあるのではなく、中国語の学習を進めていく上でそれぞれに不可欠の存在であるものです。

基本的にはリスニングの場合と同様学習初期段階では「精読」に重点を置き、中国語力の上昇に従って「多読」学習に重点を移していくとより大きな学習効果を発揮します。

精読の効用

学習初期段階における精読の目的は文法及び基本語彙の習得にあります。

この段階では一字一字噛み砕くように単語を追っていき、未知の語彙、未修得の文法について学習していきます。もちろん辞書、文法参考書の使用は必須です。また、可能なら音読学習を併用することにより、文章を丸ごと覚えてしまうのも効果的です。

精読は学校教育の教授法に近いのでイメージしやすいですし、実践においても問題は特にないと思います。

この段階においては生の素材を教材として使用するのではなく、体系的に文法事項、基本語彙が学べるテキストを使用する方がいいでしょう。

中国語の場合は次のテキストをおすすめします。

『国民的中国語教本 ときめきの上海』

多読の効用

リーディング学習の醍醐味は多読にあります。多読は中級以降の学習者にとって重要な意義を持つ学習法ですし、また、中国語の楽しさを実感できる行為でもあります。

ここではこの点についてもう一歩深く考えてみたいと思います。

言語能力はどれだけの活字を読んだ量に比例するといっても過言ではありません。その最たる例が、昨今声高に叫ばれている国語力の低下です。

現代日本の若者たちの国語力の低下が叫ばれて久しいですが、その原因として挙げられているのが活字離れです。最近はテレビやゲーム等読書以外の娯楽が増えているのである程度はやむを得ないのかもしれませんが。

ここで注目してほしいのが、たとえ母語であっても活字を読まないと国語力が低下してしまうという現象です。

国内で生まれ育ち、24時間日本語で生活していても、活字を読まないと優れた国語力を身につけることができないのです。況や外国語として中国語を学ぶ者が活字を読まずして中国語を習得できるでしょうか。

多読のコツ

多読の重要性を認識していてもなかなか読めないという学習者がいます。そんな学習者は往々にして多読を「勉強」にしてしまっています。

このタイプの学習者は多くの場合精読学習法を引きずってしまっています。分からない単語が出てくると辞書を引かないと気がすまないタイプです。

辞書ばかり引いてしまい、肝心の閲読の方はさっぱり進みません。更に悪いことに「せっかく辞書を引いたのだから」と単語帳に書き出し、覚えます。するとどんどん単語が溜まっていき、単語の復習に追われる羽目になります。

このような悪循環に陥らないコツがあります。これは簡単です。多読を勉強にしなければいいのです。勉強ではなく、日本語で小説などを読むときのように娯楽としてリーディングしてみてください。単純ですが、これは大変効果的な方法です。

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