中国語学習のための中国語IME(入力ツール)

前項「中国語学習のための中国語フォント」では中国語表示のためのフォントについてまとめましたが、本項ではそのフォントを入力するためのツール、いわゆる中国語IMEについて簡単にまとめます。

Windows標準マイクロソフト中国語IMEのインストール方法

IMEについてもフォントと同じく、Windows標準としてプレインストールされていますが、実際に使用する場合、中国語IMEを追加してやる必要があります。

XPの場合は、コントロールパネルの「日付、時刻、地域と言語のオプション」を開き、「ほかの言語を追加する」をクリックし、「テキスト サービスと入力言語」欄の「詳細」をクリックし、「インストールされているサービス」欄の「追加」をクリック、「入力言語」のプルダウンから「中国語(中国)」を選択し、「OK」をクリックすると、中国語簡体字IMEが使用できるようになります。繁体字も使う場合は、「中国語(台湾)」も合わせて追加してください。

Vistaの場合も基本的には同じです。コントロールパネルを開き、「時計、言語、および地域」「キーボードまたは入力方法の変更」から設定します。

「キーボードと言語」タブの「キーボードの変更」をクリックし、次に「追加」をクリックすると、言語の一覧が表示されます。最下部あたりまでスクロールして、「中国語(中国)」を開き、「中国語(簡体字) - Microsoft PinYin IME」にチェックを入れて、「OK」をクリックします。

すると、「インストールされているサービス」の欄に中国語が追加されていることを確認できると思います。そして「適用」をクリックしてください。

中国語入力への切り替え方

中国語入力への切り替えは言語バーの「JP」の部分をクリックして、中国語を選択すればOK。頻繁に入力システムを切り替える必要がある場合は、キーボードのホットキーを使うと良いでしょう。これも言語タブの「テキスト サービスと入力言語」欄の「詳細」をクリックし、一番下の「基本設定」欄の「キーの設定」をクリックし、設定することができます。デフォルトは「Alt+Shift」です。

いずれにせよ、これで簡単に入力言語の切り替えを行うことができます。同一言語でIMEを複数使用する場合は、IMEごとにホットキーを割り当ててやればさらに便利になります。

なお、中国語IMEでは、「Shift」は中国語入力とアルファベット入力の切り替えボタンとなっており、「Shift」を単独で押すとアルファベット入力に切り替ります。紛らわしいので注意してください。

Vistaの場合も中国語入力への切り替えについてはXPと同様です。言語バーから行うか、キーボードのホットキーで切り替えます。

マイクロソフト中国語IMEの入力方法

入力方法は日本語IMEと異なるので、慣れるまでは手間取るかもしれません。入力はピンインで行います。変換はスペースキーです。ピンインを入力してスペースキーを一回押すと、最もよく使う漢字が表示されます。

別の漢字を選択する場合は、キーボードの右矢印ボタン「→」を一回押します。すると、ずらっと横並びに変換候補が表示されるので、今度は上下矢印ボタン「↓」「↑」で選択します。下矢印ボタン「↓」を押せばカーソルが右に進み、上矢印ボタン「↑」を押せば左に戻ります。ビジュアル的に右矢印ボタンを押したくなりますが、右矢印ボタンを押すと候補一覧が消えてしまいますので要注意です。ちなみに誤って消してしまっても、もう一度右矢印ボタンを押せばまた表示されます。

候補を選択した状態で、Enterキーを押せば確定されます。スペース二回押しでも確定されます。

フリー中国語IME

以上、Windows標準のマイクロソフト中国語IMEについて紹介してきましたが、正直な話、私は使っていません。理由はカンタン、使いづらいからです。

実は、日本人の感覚としては驚きなのですが、中国では、IMEはフリーソフトとして無料で配布されています。

中でも有名なのが「谷歌」(Google中国)の「谷歌拼音输入法」と「搜狗」の「搜狗拼音输入法」です。

いずれもWindows標準のマイクロソフト中国語IMEよりずっと使いやすくなっています。ピンインを一文字入力した段階で候補が出現し、ピンインを追加していけば自動的に候補を絞ってくれます。フレーズ単位での入力もラクラク。これを使ったら、もう二度とマイクロソフトの中国語IMEは使う気にならないと思います。

中国語統合ソフトウェア付属IME

日本語OSで中国語を処理するためのパッケージソフトである中国語統合ソフトウェアには、中国語IMEが付属しています。

このIMEは中国語辞書ソフトと連携されているなど、日本人ユーザにとってより使いやすい仕様となっています。中国語学習という視点から考えれば、こちらの方がより便利でしょう。

中国語統合ソフトは「Chinese Writer(チャイニーズ・ライター)」「楽々中国語」が有名ですね。中国語辞書ソフトもパッケージされているので、中国語学習用としては非常に便利な存在です。

ピンイン以外の中国語入力

中国語IMEにはピンインに拠らない入力システムを採用しているものがあります。その中で最もメジャーなのが「五笔输入法」と呼ばれる、漢字の形態をベースにした入力システムです。

敢えて例えるのなら日本語のカナ入力のようなもので、ピンイン入力に比べ少ないタイピングで中国語を入力することができますが、入力に使うキーを覚えなければならないので、敷居が高くなります。

ローマ字入力慣れしている日本人としては、ピンイン入力の方が覚えやすくて便利だとは思いますが、もし興味があれば、挑戦してみてもいいかもしれません。