男女の区別がつかない……日本人泣かせの中国人のお名前

中国で……というか、これは場所を問わないのですが、中国人と交流する際に悩ましいのが中国人の名前です。

まず、男女の区別がつかない。男女共用の名前が多いんです。例えば、現政権の中で女性ランクNo.1は刘延东。名前を見ただけでは性別は判別不能です。政治関連では小泉時代の中国の副総理だった吴仪なんていうゴッツイおばさん(おばあさん?)なんかは有名ですね。靖国参拝で揉めて当時の小泉首相との会見をドタキャンしたあの方です。「呉儀る」なんて造語も生まれました。この名前も性別判別不能です。結構多いんです、この手の名前が。

もちろん明確に女性の名前である、と判別できる名前もたくさんあるのですが、男だろう、と考えていると実は女だった、というケースも少なくありません。

時代を表す子の命名

伝統的にはこんなではなかったのですが、共産党政権樹立後は男女平等が強調され、また特に文革時代は女性も革命の闘士であることを求められたせいか、男っぽい勇壮な名前をつけられた人が少なくありません。

一方で近年はまた女の子には女の子っぽい名前を付ける人が増えています。こういう時代の流れもあって、オトコっぽい名前がイヤで改名する人もいます。実際にわたしの身近でも、ある知り合いの女性が改名しています。彼女は自動車ディーラーに勤務しているのですが、会社に電話がかかってくると、必ずといっていいほど“先生”(ミスター)呼ばわりされてしまうのに我慢できなくなってしまったのです。もちろん、新しい名前は全力で女っぽい名前になってます。

日本ならば男女共通の敬称「~さん」で呼び出されるので気にはなりませんが、中国語では男性は“先生”、女性ならば“女士”もしくは“小姐”という敬称をつけて呼ばれます。男性的な名前を付けられた女性たちにとっては悲劇そのものです。

彼女たちが生まれた頃は男女共通の“同志”だったんですけどね。政治的には“同志”という表現はまだ使われますが、一般庶民の、特に若者の間ではほとんど使われません。というか、今では同性愛者を指す表現になってますし。

そんなこんなもあって、この問題は21世紀中には解決すると思うんですが、暫くの間は混乱が続くかと思います。

同音異義語が多い中国語

中国語は同音異義語が多いので、発音を聞いただけですぐその漢字を連想するのが難しい、という問題もあります。一般語彙なら文脈から推測できますけど、人名ではそうはいきません。中国人の名前に接する機会が多い人は慣れてくるかもしれませんが、普通そこまではなかなか。日本語教師とかになれば多少は克服できるかもしれませんが。

まぁ、それでも中国人が日本語で日本人の名前を読むことに比べれば楽かもしれません。そもそも同じ漢字でも二通り以上の読み方がある上に、名前になると漢字本来の音と一致しないケースすら多々ありますから、基本的に「一字一音」である中国人に言わせれば反則みたいなものです。小さなころからたくさんの名前に接している日本人の私たちでも難しいのですから、外国人、特に漢字に頼ってしまう中国人には難しいのではないでしょうか。

逆に、中国人から見た中国読みの日本人名は比較的覚えやすいと思います。中国語で読むと結構楽しめる日本人名も少なくありませんし。

これは話し出すと長くなってしまうので、また筆を改めて……ということで。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加