中国語多聴学習に関する補足

これまで「多聴」学習法を実践する上で遭遇する問題とその対策について考えてきました。最後に、「多聴」学習法を実践する上で注意すべき項目についていくつかの補足をしておきたいと思います。

繰り返し聴くべきか

多聴学習を実践する上で忘れてはならないポイントとして、同じものを繰り返し聴くのか、それとも新しいものをどんどんと聴いていくのか、というものがあります。

いろいろな意見があるようですが、個人的にはリスニング力の低い段階では繰り返し聴いた方がいいと考えています。

リスニング力が低い場合、一度聴いただけでは基本的にはほとんど聴き取れません。この状態で次々と新しい素材に変えていくと、聴き取れない状況が延々と続いていくので挫折する可能性が高くなります。

一方、同じものを繰り返し聴くと、回を重ねるごとに聴き取れる箇所が増えてくるので、勉強していく上でたいへん自信がつきますし、学習効果も高くなります。

ジャンルを限定する

リスニング力がついてきたら、今度は同じテープを繰り返すばかりではなくジャンルを限定して聴くこともおすすめです。

例えば、経済ニュースに限れば使用される単語の範囲も限られてきますので、理解度も高くなります。

ここでは初級者の方向けの方法をご紹介しておきます。それは「天気予報」を聴くことです。

天気予報で使用される単語は非常に限られています。「晴れ」「曇り」「西北風」等、限られた単語を、決まった表現方法で毎日繰り返してくれます。

海外のニュースも日本と同様に最後に天気予報を放送するので素材には事欠きません。しかも短いので初級者には最適の素材です。

私も中国留学中はじめに聞き取れるようになったのは天気予報でした。聞き取れるようになると勉強が楽しくなります。ぜひ一度試してみてください。

「聞き流し」について

補足として、英語のテープ等をBGM代わりにかけておくことの効果について言及しておきます。

基本的にBGMとして聴いている限り効果はないと私は考えています。頭を素通りしてしまうからです。

ではまったく意味がないかというと、必ずしもそうとは限りません。一日中テープをかけておくと、ふと音声に耳を傾けている時間が必ず発生します。その時間がたとえ10分でも、1ヶ月で5時間分のリスニングをすることになります。

私もニュースを流しっぱなしにしていましたが、興味のあるテーマについての報道が始まると耳を傾けていることがよくありますので効果はあると思います。

もっとも、音楽が好きなら歌謡曲を流しておく方が効果的なような気もしますが。

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