変化球で脳を刺激せよ ラクラク復習で中国語楽習

およそ語学というものは「復習」なくしては習得はあり得ません。どこぞの記憶の天才のように目に入ったものを一発で脳に焼き付けることが理想なのですが、それは明らかに不可能です。

不可能と言うと語弊があるかもしれませんね。一度接しただけでも長期記憶になることはよくあることです。例えば、中国語で失敗して大恥をかいたりしたものは、忘れたくても忘れられないでしょう。

ただし、そのような形で覚えられるものは、あくまで全体の中のごく一部分でしかありません。そう大恥ばかりかいていられませんし(笑)。

学習法を論ずる上では記憶に残りやすい方法を追求することも重要ですが、すべての項目において一発で記憶を定着させることは、現実的に不可能であることを無視することはできません。

そこで、凡人である私たちにとっては、記憶を定着させるために復習を繰り返すことが語学のセオリーとなります。通信講座では、忘却曲線の理論を応用して効果的に復習させるようなシステムを採用しているものです。地味なようですが、語学の習得においては、復習は非常に大切なことなのです。

新鮮感

問題は、往々にして復習はつまらないところにあります。新しい内容を学ぶ場合は新鮮感があるのでまだいいのですが、同じものを繰り返し何度も見るのは、それが趣味でない限り決して楽しいものではありません。

では、復習を少しでも楽にするには、どのような方策が考えられるのでしょうか。

復習をつまらなくする原因が新鮮感の欠如にあるのならば、新鮮感を付加することはできないものでしょうか。

変化

新鮮感の喪失が同じことを繰り返すところにあるのならば、同じことを繰り返さなければよいわけです。復習である以上、同じ内容を繰り返さない訳にはいきませんが、どのような形で繰り返すのか、という点においては変化をつけることができます。

少し表現が分り難いですね。例えば、リスニングで学んだのならば、今度はそれを音読し、次回はシャドーイングにする。その次は会話やライティングで使ってみる、というような形で、その中国語に接する方法を変えていきます。

会話やライティングのようなアウトプットでは自由に表現を変化させることができますから、疑問形にしたり反語にしたりなど、インプットで学んだ形を変形させて使ってみるのも効果的です。とにかく「変化球」を投げることで脳に刺激を与えるのです。

前項の「学んだものはすぐ実践 即学即用で中国語楽習」で紹介した「即学即用」もこの一種と考えることができます。この場合インプット→アウトプットと形態を変化させている訳です。

テキストの入れ替え

>内容そのものを微妙に変化させるという方法もあります。ポイントとなるもの以外の部分を変化させることで、重要な部分を繰り返し学習するというやり方です。

最も簡単な方法は同レベルのテキストを複数使用するというものです。同レベルのテキストでは、形式やストーリーは異なりますが、重点として学習するポイントは似通っていますから、同じテキストを使用する場合に比べ新鮮感を保ちながら、そのレベルにおける重要項目を繰り返し学習することができます。

この方法は特に初級レベルで有効です。入門は発音中心で変化に欠けますし、中級以降ではレベルが上がるにしたがって重要項目が分散していくので重複効果が逓減してしまいますが、初級レベルでは重要項目はほぼ固定しているので、どのテキストでも扱っている重要項目はほぼ同じであるためです。

ゲームメソッド

「中国語のツール化で中国語楽(たの)習」でも紹介したゲームメソッドも効果的です。ゲームの形で繰り返させるのでストレスは低く、学習効果は高くなります。

ゲームメソッドを取り入れているのはパソコンやゲーム機をベースにしたプログラムで、代表的な製品には旺文社の通信講座「ゼロからカンタン中国語」や、DSで発売されている「学研 中国語三昧DS」があります。

今のところ入門から初級初期あたりのレベルまでしかカバーされていませんが、いずれは中上級レベルまでカバーされたソフトも出てくるでしょう。今ほしい、という人にはちょっと間に合いそうにありませんが。

今後に期待、ということで。