中国語検定資格試験考

中国語能力を測定する試験は一つではない。さまざまな形態の試験が複数存在する。日本の団体が主催しているものもあれば、中国政府が主催している試験も存在する。

では、中国語を学習する私たちはどの試験を選べば良いのであろうか。

巷にはいろいろな意見が存在する。「なんだかんだ言って中検が知名度No.1である。」「HSKは世界標準の中国語能力検定試験である。」「TOEICのようにスコアで評価されるTECCが今後の主流になる。」……

この論争は、つまるところ究極で万能な試験を渇望する受験者の声を反映している。受験者の立場から言えば、資格試験は一つ万能のものが存在する方が便利である。資格試験が複数存在すると、どれを受験するのか、という選択の問題が発生するし、どれもこれも必要となれば、その分費用と時間的コストが必要となるからだ。

しかしながら、残念なことに、究極で万能なる語学能力検定試験は存在しない。絶対的な試験が一つ存在し、それを受ければどこでも通用する……学習者の立場から言えばそのような試験が存在するのが望ましいのだが、残念ながら、そのような「究極の」試験は存在しないのだ。

究極的な試験は存在しなくても、比較対照してより優れている試験はあるだろう、と思われるかもしれない。そう、確かに優劣は存在するであろう。

しかし、その判定は評価基準によって変わってくる。純粋に試験の精度だけを評価するのか、それとも社会的な通用度を考慮するのか。厳格に考えるのならば、試験の優劣はその精度によって評価されるべきなのだろうが、如何に精度において優れていたとしても、それが社会で認知されなければ、現実的には資格としての意義は半減してしまう。現実社会とはそういうものだ。

本連載では各中国語能力検定資格試験における試験方式とその特質から、また社会的認知度なども考慮に入れて、どのような学習者が、いつ、どの試験を受けるべきか、という命題について考えてみたいと思う。

中国語検定資格試験の級・スコア方式比較

中国語関連の各検定試験が採用している試験方式の比較からその試験の意義と特徴をまとめる。

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2009-06-09 Last modified: 2011-11-07

「中検」「HSK」「TECC」……中国語検定資格試験の選び方

三大中国語検定資格試験「中検」「HSK」「TECC」の選び方。

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2009-06-30 Last modified: 2011-11-07

中国語資格試験受験ロードマップ

初級・中級・上級各レベルにおける三大中国語検定資格試験「中検」「HSK」「TECC」の受け方。

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2009-07-07 Last modified: 2011-11-07