完了と実現「了」 
時態(アスペクト)助詞“了”は動作の完了・実現を表すことができる。
動詞の直後にアスペクト助詞“了”を置く。
| 我看了一本书。 | (本を一冊買った。) |
一般に日本語訳には「~した」という表現が当てられるが、過去形ではない。現在完了として使うこともできる他、従属節に用いるという制限はあるが、未来完了も表現することができる。
| 我昨天吃了咖喱饭。 | (私は昨日カレーライスを食べた。) | ※過去完了 |
| 我都等了他一个小时了。 | (私は彼を待ってもう一時間になる。) | ※現在完了 |
| 我买了汉堡包再过去。 | (私はハンバーガーを買ってから行く。) | ※未来完了 |
否定形を作る場合は動詞の前に否定副詞“没(有)”を置き、“了”は外す。否定文ではその動詞が実現していないので、“了”は必要ない、と考えればよい。
| 你吃午饭了吗? | 吃了。/还没(有)吃。 | (昼ごはんを食べましたか。食べました。/まだです。) |
“動詞+了”が目的語を伴う場合、その目的語に修飾語が存在せず、且つある特定の物・出来事と限定できないときは、そこで文を終了することができない。
| × | 我看了书。 | ※“书”には修飾語がなく、また特定の本と限定できないため、文を終了できない。 |
この場合、次のような処理を加えることで文を終了させることができる。
時態(アスペクト)助詞の“了”が表す「動作の完了・実現」の意味は一種の新しい状況が発生したと考えることもできるため、語気助詞の“了”の持つ意味の一つである「状況の変化・事態の発生」と意味が重なり、時として非常に紛らわしい。 そこで、以下に両者の相違点について表としてまとめてみる。
| 意味 | 位置 | 記号 | |
| 時態(アスペクト)助詞“了” | 動作の完了・実現 | 動詞(句)の直後 | 了1 |
| 語気助詞“了” | 状況の変化・事態の発生 | 文末 | 了2 |
※「記号」の「了1」と「了2」は両者を区別するため記号化されたもの。
両者の明確な相違点はそれが置かれる「位置」にある。
意味的な点から見ると両者は非常に似通っているが、時態(アスペクト)助詞の“了”は既知のものを、語気助詞の“了”は未知のものを表すというところに相違点が見られる。下記に例を示す。
| 你吃什么了? | 何を食べたの。 |
| 我吃包子了。 | 中華まんを食べた。 |
| 你吃了几个包子? | いくつ食べたの。 |
| 我吃了六个包子。 | 6個食べた。 |
会話や話題の冒頭で、未知のものについて言う場合は語気助詞“了”が使われる。上記の例では上二行は未知のものについて述べているので、語気助詞“了”が使われている。
一方、下二行ではすでに「中華まんを食べた」ことは既知の事実となり、話題が「何個食べたか」という具体的なものに進んでいるので、アスペクト助詞の“了”が用いられている。